icebound shangrila
□27
1ページ/3ページ
最近、眠るのが怖い。
だっていつも変な夢をみるから。
それを団長に言ったら笑われた。阿伏兎さんに言っても笑われた。
こういうことは誰かに言うもんじゃないんだなぁ、なんて思ったけどやっぱり変。こんな夢おかしすぎる。
私はモンモンと考えながら、夕飯の仕度に取り掛かる。
「…ねぇ、何その目の下のクマ」
「…だから、あんま寝てないんですってば」
「あっそ…てか何してんのソレ。なんでジャガイモの皮炒めてんのなんで剥いたジャガイモが三角コーナーに捨てられてんの」
「…あ、間違えた。逆だった」
「これだから寝不足の雑用は困るヨ」
団長から、またいつも通りの言葉が容赦なく投げつけられた。
ハァ、と今日で27回目の溜息。
寝たいけど寝たくない。ぐっすりしたいけど怖い夢は見たくない。でも眠い。
そんなアンビバレントの繰り返しで気付いたら朝。
っていうのを、ここんところ毎日毎日やってる。
助けて誰か助けて。
「ねぇ馬鹿聞いてる?玉ねぎどこまで剥いてんの。身が無くなるヨ」
「…あ、間違えた。剥きすぎt「もういいから。今日は作らなくていいから」
団長が珍しく甘い。
なんだなんだ今日は嵐か。
あ、ここ宇宙だった…。
「…寝たい」
「じゃぁ食べたら寝れば」
「だから寝れないんですってば!」
「俺に切れないでくれる?そんなに寝れないなら俺が眠らせてあげようか永遠に」
もう団長の脅し文句なんか慣れっ子だ。へーんだ。
ていうか今はそれに対応する気力もない。
「めんどくさいなー。カップラーメンでいいか。雑用、突っ立ってないでお湯沸かしてヨ。そんくらいできるでしょ」
「…はい」
「ふざけてる?お湯湧かせって言ったんだけど。なんでジャガイモの皮レンジでチンしてんの馬鹿なのお前」
「…あ、間違えt「分かったから、もういい。あっちで座ってて」