Short

□Mistake
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霊魂集めにシャローキープに篭ってくると言ってから3日、ランチャーが戻って来た。
──腰痛と共に。



「…っ、いてて……」
ランチャーがよろよろとリビングのソファに腰を下ろす。
重火器を専門に扱う職業柄、腰痛や肩こりはどうしても避けられない。
過去に何度も痛めては治療、痛めては治療、というのを繰り返してきた。
「…そんなにひどいのか」
コーヒーを煎れていたレンジャーがランチャーを振り返る。
「いや…何とか大丈夫、だと思う、今回の痛みは…」
「…ふぅん」
ランチャーにコーヒーを差し出す。何も言わずにランチャーの分まで煎れていたらしい。
ついでにと頼まれても、面倒だと言って常に自分の分しか煎れないレンジャーには珍しい事だ。
「ぁあ、ありがとレン」
コーヒーを受け取って口をつける。レンジャーの趣向で濃く煎れられたコーヒーは、ランチャーには少し苦く感じた。

そんなランチャーを見て、横でランドランナーをいじっていたメカニックが口を開いた。
「ラン、マッサージメカでも作ったげよっか」
「えっ、なにそれ」
案の定ランチャーは即座に食いつく。
「スイッチ押すと振動する、みたいな」
「そんなの出来るのか?」
「出来るんじゃない?」
「ローター?」
「死ね」
いきなり会話に横やりを入れてきたスピッドファイアをランチャーが一蹴。
文句を垂れるスピッドファイアを無視して、ランチャーはメカニックの話に食いついた。
「作ってくれるならすごい欲しい」
「分かった。今日から作ってみるよ」
「ありがと、ほんと助かる」
ほんの僅かでも腰痛が軽くなればいい。メカニックの申し出が、ランチャーにはありがたかった。



翌日には早くもメカニックから、昨日話してたマッサージメカが出来たよ、と、言われた。
「……形はカウントなんだな」
手渡されたそれは、一見するとメカニックがよく作り、戦闘でも頻繁に使用する、カウントダウンそのものだった。
ランチャーは若干嫌な予感がしたが、せっかく作ってもらった物だ、試さないわけにもいかない。
「うつ伏せになってよ、腰に置いてスイッチ入れるから」
言われるままにソファにうつ伏せに転がる。
続いて腰にカウントダウン型のマッサージメカが乗せられた。正直、結構重い。
「スイッチ入れるよ」
そう言ってメカニックが手元のリモコンを操作すると、マッサージメカが程よく振動を始めた。
「ぅわっ…メカ、やばいこれいいかも」
予想以上にそれは気持ちよく、思わずランチャーが感想を溢した、その数秒後。


「ちょっ!メカ!おまっ…これやっぱりカウントダウンじゃね!?ピーピーいってカチコチ鳴ってんじゃん、怖ぇーよ!どけろよ!」

「あ、それ基本的にカウントダウンに機能後付けしただけだから。10数秒後には爆発ね」








─Mistake─


なぜ後付けをしたo
メカって基本的に何かおかしい人っぽいな、とo




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