Short

□Call
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日付が変わる頃、スピッドファイアとランチャー、メカニックの3人がリビングで寛いでいると、1人出掛けていたレンジャーが帰宅した。
「レンどこ行ってたんだよ」
リビングに入ってきたレンジャーをスピッドファイアが振り返る。
レンジャーは答えずに持っていた紙袋をテーブルに置いて口を開いた。
「…これ皆で呑もうぜ。酒場の賭けで勝って貰った」
「ん?なになに、酒?」
スピッドファイアが興味津々に紙袋を覗く。紙袋の中には2本のシャンパンが入っていた。
が、そのシャンパンのラベルを見てスピッドファイアが驚いて顔を上げた。
「うおっ、レンっ、何これ!何でっ!?」
ラベルには『ドン・ペリニョン・ロゼ』と表記されていたのだ。
「ピンドン!ピンドンじゃん!どーしたんだよこれっ!」
「…だから、酒場の賭けで勝って貰ったっつっただろ」
「やったー!みんなで呑も呑も!」


冷蔵庫から、常備してある酒のつまみのチーズやサラミを取り出す。
ナッツまで用意したところで、シャンパングラスを出したスピッドファイアがテンション高めに口を開いた。
「なぁ、たまにはコールしようぜ。ピンドンだし!」
それを聞いて3人も、ピンドンだしたまにはいいか、と頷く。
頷いたのを見て、スピッドファイアがマイクを持つ真似をする。

「なんと、なんとねっ、レン王子からピンドン一発頂きました!」
「あぁざーすっ!」
コールが始まり、リードマイク役をするスピッドファイアの後を、ランチャーとメカニックが決まった掛け声をうつ。
「それではっ素敵なピンドンぶちこんでくれちゃったレン王子から、一言頂いちゃいましょーか!」
「…たまには、な」
「あーりがと?」
「ございまぁーす!」
深夜に男4人で、所謂シャンパンコール。
「今夜は最高!」
「よいっしょー!」
「まーちがい?」
「ない、ない、ない!」
「酔いつぶそっ!よしこいっ、グイグイッ、よしこい!」
「グイッグイ!」
「では早速呑ーもお?」
「うぇーい!」
レンジャーも加わり、スピッドファイアがボトルのコルクを抜く。ポンッ、と心地好い音が響いた。
「よいっしょー!」
最後に4人で叫び、シャンパンコールは終了。
スピッドファイアによって注がれた、その名の通り透き通った綺麗なピンク色のドンペリを、それぞれ呑み始める。
「うわっ、渋めで旨い」
「…にがい」
「甘いと思ってた。俺は好きだなこれ」
「……旨い」
それぞれ感想を零しながら呑み進める。

最初に酒場で賭け事を吹っ掛けられた時はいい気はしなかったが、お陰で普段呑めない高い酒を手に入れる事が出来た。
たまになら悪くはないな、と、レンジャーはグラスに残っていたシャンパンを煽った。




─Call─


短くてもいいのでシャンパンコールをさせてみたかったのですo
実際たった4人でシャンパンコールとかショボいですよね...o




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