Monochro・Contructers

□Mission2
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レイオルは激怒した。理由は単純明快である。
 翌日、レイオルがギルドを訪れるとリクが待ち構えていた。ここまでは想定内だったのだが、ミクリには「勝手にパートナー契約を結んだ」と言われ、リクには「この仕事一緒にやろうよ!」と一人でもできそうな仕事を押し付けられた。そりゃ怒りたくもなる。

 とりあえず怒っても収拾がつかないのでギルドを後にしたレイオルはふらふらっと町を当てもなく歩いていた。昼寝をして過ごすという手もあったが、あいにくシーツ等は洗濯してしまった。

せっかくの(ずる)休みなので、普段できないことをしたい。と考えたが、なにしろ忙しすぎてやりたくてもやれないことが山ほどあることに気づいてしまった。

そういえば最近星空をゆっくり見ていないし、買った本は数冊ほど読み終えてないし、そもそもゆっくり休めた記憶が無いように思える。まずは一つ一つ片付けていくのが妥当か、と部屋に戻っていくのであった。

 一方ギルドではリクがいじけていた。理由は先程のレイオルの態度であることは容易に想像できるであろう。
暗いオーラを出して集会部屋の隅で縮こまっている彼に、親しい人々は声をかけていったものの、リクの心が晴れるわけではなかった。
どうして仲良くなれないのだろうか。どうしたら彼とまともに話せるようになるのだろうか。ずっとそればかりを考えていた。
 流石にもう帰ろうと、扉まで歩いていったとき、集会部屋の掲示板に貼られていた一枚のポスターが目に飛び込んできた。

『春の豊饒祭』

毎年この季節に行う祭で、穀物が豊かに実るようにという祈りを込めているようだ。

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