Main 嫌われ小説
□2話
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「どういうことだ、幸村」
どういうことだ?そんなのこっちが聞きたい。
なぜ彼女が泣く?
なぜ俺が責められている?
「せんぱい・・・っ・・・・私・・・幸村くんに告白されて・・・断ったら
・・・・っ無理矢理っ制服を・・・う・・・ひ・・・っく・・・」
「え?」
なんだ、なんだ、なんだ、
なにがどうなっている、
「お前・・・!ふざけるなよ!!」
はめられた、のか、
「違う!俺は告白なんて・・・!!」
泣くようなことなんて、そんなことしていない。
「黙れよ!」
「っ!」
ぱんっ、と乾いた音が耳元で鳴る。
「五月を横取りしようとして、その上・・・っ!」
ありえない、
ありえない、ありえない。
違う、
そう言っても、先輩は信じてくれなくて。
「覚えとけよ・・・。行くぞ、五月」
「うん・・・・・ごめんね・・・私が、なにも考えずについていっちゃったから・・・」
違うと口にしたはずなのに、
もう彼は、聴く耳すらももってくれなかった。