Main 嫌われ小説

□3話
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ショックで、
あまりにもショックで、
5・6時間目はさぼってしまった。
そこから、動けなかった。


終礼が終わった頃に、教室に戻ると一気に目線がこちらに集まる。
冷たい、目、だった。


あぁ・・・、彼らもまた、
騙された、のか。


荷物を取りに、机まで行く。
近くに立っていた人が、小声でお前サイテーだな、と言った。

横目でちら、と見てさっさとこの場所を抜け出したくてそれを無視して教室をでた。



部室まで行くと、中には錦先輩と、ほかの先輩達数人がいた。

「おい、幸村どういうことだよ」

「溝田先輩・・・」


やっぱり、話してあるのか。


「五月ちゃん、顔と背中にあざ付いてんじゃねぇか」



「は?なんですか・・・それ・・・」



あざ?顔と背中に?
そんなところ、さわっていない。
腕に、なら叩いてしまったときのだろうけど、



「知りませんよ・・・・そんなこと・・・っ」



そう言ったら、胸倉をつかまれた。
溝田先輩は、かなり体格がいいので正直怖い。


「お前がやったんだろ!!?強姦しようとして、嫌がった五月ちゃんを殴ったんだろうがよ!!!」


完全な言いがかり。
あざなんか、メイクかなんかだろう。


「違いますよ・・・。大体俺はあの子に告白すらしていない。」


淡々と答える。


「嘘つくんじゃねぇよ!!!!」


バンッと机を叩いて、錦先輩が立ち上がる。



「五月は・・・!あのあと、お前が帰ってこないって聞いて、私のせいだ、って!心配だから、って!お前を呼びに・・・!それをお前が・・・!」



言葉の途中で泣きはじめた。

続けるように今まで黙っていた先輩が言う。

「お前が、その五月ちゃんをレイプしようとして、それで拒否った五月ちゃんをぶん殴った。そうだろ?」


「誰が・・・どこに来た・・・んですか・・・?」



あの後、あの場所には誰も来なかった。



「っざけんのも大概にしろ!!!」



耳元で、溝田先輩が叫ぶ。



「泣いて話してくれたんだぜ!!?お前、そんときの五月ちゃんの気持ち、分かんのかよ!!」











「そういう・・・・・ことか・・・・・」












誰にも聞こえないように、呟いた。

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