刹那の奏者の懺悔室
□4 祭の後の消失物
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9月が終わり10月も終わりに近づいていた。
そろそろ肌寒くなってきた季節だ。
時間とはほんとうに短いものだとつくづく思う。
そして10月の終わりには行事がある。
クラス対抗の合唱と文化部の活動の発表を1日にしてしまう行事。
これを略して文活と言っている。
それが今日、体育館でまさに始まろうとしていた。
生徒や教師そして一部の保護者がいる中それは始まった。
まずは一年生の発表。
指揮者、ピアノの人が指定の位置につき他の生徒が雛壇に3列に並ぶ。
そして文化委員の1人がクラスの紹介文を読み上げ、生徒の中に入った。
そして曲が始まる。
……まぁ、一年生だからこんなものかと私は思いながら聴いていた。
一年生は所詮大声コンテストのようなもの。
一番声が大きいクラスが優勝だ。
一年生は4クラス。
曲はあっという間に終わっていく。
とうとう一年生最後のクラス。
私はちらっと時計を見た。
始まってから約二時間程たっていたようだ。
視線を戻し、再び歌の方に耳を傾けた。
もう終盤をむかえていた。
ほんとにあっというまだった。
一年生の発表は終わり、次は二年生だ。
私の学年。
今年はうまくいくのかな…
私は制服の袖をキュッと掴む。