心鏡の部屋

□君の色 僕の赤
1ページ/4ページ




あぁ、きっとこれは運命なんだ。

もともと全て決まっていたんだ。


私がこうなってしまうのも

何もかも決まっていたんだ。



私の右手首を見ると、そこには何本もの赤い切り傷の痕。


そこからは血が滲み出ている。


構わず私はそこにまた剃刀をあてすっと引いた。


切った後からはまた血が滲み出ていた。

それを私は洗面所で眺めていた。


毎日同じことの繰り返し。


傷痕は少しずつその深さを増していた。


(今日もあんまり深く切れなかったな……)


私は血を洗い流し、部屋へ戻りベッドに潜り込む。



(いつになったら気づいてくれるかな……?)




そう思いながら眠りについた。







そしてそんな日々にも終わりに近づいていた。









次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ