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□好きだけど嫌い
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アタシは誰が好き?

ウィル……そう、ウィリアムが好き……。


じゃあ……あの人は?









「やあ〜〜!!」

「……またアンタね、何がやあ〜〜ヨ!!」

「いやいや、君の顔が見たくてねぇ〜」

「…………」


そう、ここ最近毎日の様に葬儀屋こと、アンダーテイカーはこの死神派遣協会にやってくる。

いつも同じ様に何しに来たかと質問すれば毎回同じ答え。



君の顔を見に来たよ



嫌じゃない。

けど………。


本気かわからない言葉に惑わされる程アタシは軽い女じゃないの。


だからいつもアタシは貴方から返される答えに、同じように答える。


「そう……」


自分でも冷たい態度だってわかっている。

でもそんなアタシの態度にもアンタは「ヒッヒッヒ〜」なんて、笑って返してくれる。

好きになっちゃいけない。

好きにもならない。

アタシが好きになった人は……ウィリアムだから。


「あっ、ウィルくん」

「えッ!?」

「これは、来ていたんですか」


そうやって嫌味たらしく言うウィリアム。


「んふッ♪ウィルったらヤキモチ?」

「まさか」


ウィリアムと言葉をかわすアタシ達。


アタシとウィルは付き合っいる。

アタシとアンダーテイカーが出会うずっと前から……。


だからアタシが好きなのはウィリアムただ一人だけ……。


でも今は?


「小生はそんなのを見せつけられても、帰らないよ?」

「チッ」

「おや?今ウィルくん舌打ち…「していません」


そんな二人の会話もいつものこと。

そのたんびにウィルはアタシと葬儀屋のことでヤキモチを妬いてくれている。

そのたんびに……ウィリアムの愛を感じる。


でも……今はそれも辛い。


何で?
なんで?
ナンデ?


ウィリアムのことは好き、だけど……それ以上にアタシは……。




わかってる。

いや、わかっていた。


初めて貴方と会った時から……アタシは気付いていた。



アタシは確実に貴方に惹かれている…と。



好きだという気持ちをウィルを使って隠していた。

こんなズルいアタシ。



でも……。



「アタシはウィル一筋なの!!だからアンダーテイカーは諦めてちょーだい!!」


アタシはズルイから。

自分の気持ちに嘘をつく。


「ヒッヒッヒ、本当君は可愛いねぇ〜〜、いつでも小生のところにおいで?待ってるから」


気付いてる。

アンダーテイカーもアタシの本当の気持ちに気付いてる。


だからアタシは平気で嘘をつく。


「だからアタシはアンタが嫌いだって言ってんでしょ?」


嫌い?



好き。


「そうかい、まぁ小生はそれでもいいんだけどね?」


これもお見通し。


気付いてないのは


「ほら、早く貴方は地上にお戻り下さい、そしてこの馬鹿にはもう近づかないように、この馬鹿が貴方に移ったら大変でしょ?」

「なにヨ〜〜馬鹿、馬鹿ってぇ〜〜!!もっと素直にヤキモチ妬きなさいよネ!!」

「なッ!?私は妬いてなどいません」

「ヒッヒッヒ、愉快だねぇ〜」



そう、気付いていないのはただ一人。


ウィリアム、ゴメンなさい。


アタシは酷い女。

ウィルの気持ちも踏みにじり、アンダーテイカーに心を奪われる。


でも、アタシは愛がたくさん欲しい。


だから………。


「また、今度は二人で会おうね」

そうアンダーテイカーはアタシの耳元に近づき囁く。


それに対し、アタシは軽く頷くだけ。



暫くは……このままの関係を築く。


ウィリアムに隠れてアタシはアンダーテイカーと………。

禁断な恋を続ける。










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