前半の海


□ある日の留守番
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 買い出しのために寄った街。
 たまたま成り行きで、ゾロと二人きりで船番をする時間帯があった。
 なんつーの?そりゃあもうおれァ最初っからハートマーク。
 場所なんてどこでもよかったんだが成り行きで見張り台で。
なんにも見張らず(苦笑)。
声を抑える必要のない興奮に浸り、いつもより激しいのをしちゃいましたとさv

 おれはまだ裸のまま隣りに横たわる恋人の顔を見た。頬が緩む。

「なあゾロ、おれのこと好き?」
「………寒い」
「なんだよそれ。いーじゃねェかよ、たまにはお前がそう言うの聞いてみたいよー」
本心だ。
「アホか。…そう、じゃなかったら、こんなことするわけないだろ!」
「何言ってんだ。そういうもんじゃないんだよっ。お前女の子にモテねーだろ」
「はァ?興味ねーよ」
「それもだっ。興味あるとかないとかじゃなくて、モテないよりモテたほうがいーじゃんか」
「―――?お前こそ何言ってんだ。必要ねーだろ」
ゾロがちょっと拗ねたような顔でおれを見据える。そして続けた。
「おれにはもうお前がいるだろーが」

「!!…ゾ、ゾロ〜〜っvv」
「わっ離せっ、まだ無理っ…ちょ、ぅあっ………んっ…」



「ま〜ったくアッツイ、アッツイ」
忘れ物を取りに戻っていたナミが、独り言を言いながら船を後にするところだ。

「はずかしーセリフ聞かせないでよね、まったく!」
チラリと船を振り返ると、ブルッと軽く震えが来た。
「アホップルめ。よくあんな男と恋愛なんかできるわね〜…………どっちも。」

END

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