前半の海


□253話のあのコマ
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「おいコックッ!食い物の入った皿を投げるなっ」
「んあ…?あーワリ、お前なら当然取れるだろうと思ったからよ」
「いや許さん。粗末に扱うなよ」

 …何怒ってんだ?こいつ。

「だって…だってよゾロ、みんなの話の流れを切らずにあくまでもさりげなくお前の隣りに座りたかったんだ」
「なにがだ。意味わかんねーし、もしこぼしたらもったいないだろって言ってんだおれは」

 あー…そっか。そこで真面目に怒ってくれてんのか。

「……ゾロ、おれのメシが好きか?」
「あ?………ああ。」

 思わず頬が緩む。

「けど、メシ以外もいろいろ好きだろ?」
「は?なんの話に変わってんだよ////」

 意外と動揺がすぐ顔に出る。可愛い…可愛いなァゾロ。

「…なーゾロ、こっそり向こう行って組み木の準備しようぜ」
「は?」
「キャンプファイアーだよ。やるだろこいつら、絶対」

「あー…そうだな、ハハハッ了解」

(おおー…)

「ゾロ…その笑顔、すげークる」
「…あ?なんか言ったか?」
「……いやなんでもねェ」

 組み木の準備なんかしててもきっと誰も気付きやしないだろう。だからおれは暗闇にまぎれてこいつにキスしよう。なんか今、強くそう思った。

END

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