前半の海


□ヤバい薬
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「ハアッ、ハアッ、サンジッ…頼む、も…してくれよ」
「ふふっ、まだダメだ」
「あ…あ、そんなっ…」
「すげえなゾロ、まだ触ってねーのに、見られてるだけでそんなにおっ勃てるかよ…お前ほんとエロいな」
「くっ…お願い、だっ、もう…」
「ダメだってば。じゃあ、自分でしてみな。おれの見てる前で、やってみせろよ」
「―――!」
「ほら、早く…右手で握ってごらん。そう…いい感じだ。そのまま動かして…」
「うっ…あ、ああっ」
「もっと早く!」
「あっ、あっ、ぁあ…んっ」

…はっ。
いけねぇいけねぇ、一流コックのおれとしたことが、料理中に妄想に浸ってしまったぜ。
 やあ、これはこれは読者の皆様こんばんは。いつもホントにありがとう。
 つい頭の中のエロゾロで妄想スイッチ入ってました。ゾロのイメージ壊しちゃったらごめんなさい。へへへ。

 しかしおれの淫らな想像にはワケがある。それはつい先程のことだ。おれの頼んでおいた秘密の薬をチョッパーが完成させてくれたのだ。
 どんな薬かって?賢いあなたならお察しのとおり!まあ、いわば“エロエロの実”ですよ、ふっふっ。
 これを飲んだらどんなにクールな奴も体温上昇、あそこはビンビン、やりたくてやりたくてたまらなくなる、そんなヤバい薬だ。
 これをゾロに飲ませて…疼く体をジックリと見物して、焦らして焦らしていじめてやるんだ。あーゾクゾクするなぁもうっ♪

 あ?ああ、よくチョッパーがいうことを聞いてそんな薬を作ったなって?そのいきさつは以下の会話のとおりだ。

「なあチョッパー、おれ、悩んでることがあるんだ…」
「どうしたんだサンジ?」
「どうもなぁ…チンチンが元気ないんだ」
「??そうなのか?(サンジの場合、ちょっとくらい元気ないほうがちょうどよさそうだけどな)」
「お前そんなに軽く聞いてるけどな、トナカイだから知らねーんだろ。人間はな、まだ19歳という若さで性欲が減退すると、ほどなく死に至るんだ」
「えぇーーー!!!たたた大変じゃないか〜っ。サンジ死ぬな〜〜!おれはどうすりゃいいんだ〜?」
「うん、そこでなんだけどな、おれが飲むための薬を作ってほしい。死ぬのはやだから出来れば多少効き目が強すぎても構わん」
「薬…?」
「おう。副作用はNGだぜ。得体の知れてる成分で頼む。こうでな、…ああでな、こんな感じでな、…ゴニョゴニョ」

てな具合だ。
あん?いたいけなトナカイを騙して労働させちゃ可哀相だって?そりゃそうなんだがなー。そのアイデアが浮かんでしまってからおれは、ゾロのそんな姿が見たくて見たくてなー…。あ、やべ、今ヨダレ出そうだった。まあそうだな、死ぬとか脅したのは悪かった。トナカイには後でうまく誤解をといておくよ。

 しっかし。それにつけても楽しみだなあ。ふっふっふ、ふふふふふふふふ…

 早速その夜、ゾロが一人で展望室に上るのを見たおれはもちろん追いかけることにした。

「ゾーロ♪」
「あ?なんだよ」
「おやつと酒持ってきた。夜食」
「へぇ……なんか企んでそうな顔してるけどな」
「――っ!」
「今度は図星って顔したぜ」
「んなっ…ななななな何言ってんだよ〜、せっかく持ってきてやったっつーのにっ」
「んー…」
ゾロは、持っていたバーベルのようなものをその場に置くと、つかつかと真っすぐおれに近づいてきた。
「コック!お前がこういうことをするとしたら、もうちょっと時間が経ってからだ。なぜなら、おれは今トレーニングを始めたばかりだからな」
「えっ…」
「ったく、夕方からずっと何をソワソワしてやがった?」
「えっ?」
「…まぁいい」
ゾロが皿のマフィンに手を伸ばした。媚薬をじゅうぶん練り込んだ自信作だ。
「コック、ともかくこれはな、―――まずお前が食えっ!」

(あ―――!)
ゆ、油断してた口に捩込まれたっ。嘘だろ、おれのバカ!素直に飲んじまったぁーーー…!!!

「てっ、てめェゾロ…なんってうたぐり深い…………っっ!」
「あん?どうかしたかコック。いきなりものすごく顔が赤い…」
「う…ううううう……。だぁーーっ!もうっ!我慢ならんっ!ゾロてめェ一発やらせろ。今すぐやらせろ〜っ」
 おれが勢いよく飛びついたのでゾロはそのまま倒れた。
「うわっ。なんっなんだお前は!いつもながら下品な奴だなっ」
「うるせェ!今夜は寝かせないからなっ」
「イヤ、だ……っ、うっ…んっ」
「ゾローーーッッ」

 まあなんというか、薬を飲んでもサンジの場合はいつもとほとんど変わらないのであった、というお話。

チャンチャン

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