前半の海
□443話のあのコマあたり
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ブルックが初めてこの船に来て、あいつの影がないのなんのとみんなで大騒ぎした時のことを…たまに思い出す。
あのガイコツめ、最初はホント「得体が知れない」以外に表現しようがなかったよな―――
おれは普段…ゾロの身を案じるってことは実はあまりないんだ。
そりゃ、本気で笑えねェようなヤバい敵を相手にしてる時には「また無茶してんじゃねーか」とか、気になることもあるけどよ、基本あいつ、おれより強いくらいだろ。
だから戦闘の時は、そんなに奴を心配するってことはまずねェ。
だけどあの時…ブルックがマジで何者なんだよってことでみんなが大いにざわついた時、おれは無意識にゾロの前に出てた。自然に、ゾロとブルックの間に自分が入るように体が動いてたんだ。
おかしいよな、とっさにおれが「守りたい」と思うのは、やっぱりゾロ…お前なんだ。
もしそれをお前に言ったらまた、「必要ない」って拗ねるだろうか。
だけどなんだかおれはあの時の自分の行動を…なんつったらいいか…甘い気持ちで、時々思い出すんだ。
うん、甘い…甘い気持ちだ。
そして何度でも思う。繰り返しおれは思うんだ。
(ゾロ、お前がとても好きだよ――)
END