前半の海
□その発情期の猫の夜
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おもちゃの手錠を後ろ手にかけた全裸のゾロを床に転がして、おれはゴクリと唾を呑む。
別におれの趣味的には手錠までかけなくてもよかったんだが、手を自由にしたらきっと奴は頭の上の猫耳も鈴のついた首輪も取ってしまうだろう―――取らせねェ。今夜こいつは、“おいた”のお仕置きをされる猫なのだから。
ホントは口もふさいでやろうかと思ったが、こいつが色っぽく鳴く様子はおれの大好物なので、やはり声は自由にしておいた。
しかしまァ…さっきからゾロは何も言わない。自分のさせられてるカッコを思うだけで、きっと恥ずかしさでいっぱいになってしまって何から発していいのかわからないのだろう。
「ゾロ…」
「う…お前こんなこと……本気かっ…」
「は?どういう意味だよ。本気に決まってんだろ。可愛いぜ、そのニャンコ」
「………」
ゾロがジッとおれを睨みつける目が、涙ぐんでるようですごく綺麗だ。
「…ゾロお前、拘束されんの好きなのか?」
「はっ――?」
「それとも首輪とかのせいかな…」
「なっ…何が…っ」
「これ、自分でもわかってんだろ?…ものすげー勃ってんじゃん」
「……っ」
「エロいなお前…ヤベーよ、酷いこといっぱい、してやりたくなるぜ」
「あ……っ」
耳元で囁くと、なぜか急にゾロが目を閉じて身をよじった。
(ん――?)
「えっ…何?おれが何か言うだけで感じちゃってんの?」
「うっ…」
「そんなカッコして、いぢわるなこと…言われんの、好きなんだ?」
「違っ…や、だっ…見るな…っ」
あれ、もう泣かしちまった。
「なんだよ…お前今日やけに可愛いな」
「うっ……くっ…」
(予想以上のいい反応だ。ちょっと驚き。いつの間にこんないい具合に開発されちゃってんだ…)
「だけど…まだまだまだこれからだよ」
おれはゾロの顎を掴んで、その口に指を二本突っ込む。
「んっ…ん…」
口の中を掻き回してやると、振動で首の鈴が小さくチリンチリンと鳴った。
「んんん…んうっ…」
そうやってゾロの唾液で濡らした指で、奴の乳首を撫でる。
「あっ……う――!」
よほど敏感になっているのかゾロは大きくのけ反った。
「ハァッ…、…っ」
切なげに呻きながら、顔を真っ赤にして震えている。
「ゾロ……恥ずかしいか?ん?」
「……っ」
「お前、明るいままでするのいつも嫌がるもんな…」
言いながらおれは、ゾロの足の付け根を上下になぞる。
そろそろ触ってほしいであろうその、固く猛った部分にはわざと触れないようにして……
「あ、あ……んっ…く…」
ゾロのそこは先っぽにじんわりと丸く先走りをにじませながら可愛いくヒクついている。それ自体が今にも泣き出しそうだ。
「あ…、電気…いやだっ…く、暗く…」
「…ダメ。言ったろ?お仕置きなんだから、お前の言うことは何も聞かねーぞ。…逆だ、もっと…もっと明かりに晒してやるぜ」
「え……」
おれはゾロの膝裏あたりに手を当てて、グイッと大きく開脚させてやる。
「あ…っ」
遮るものは何もない。ピクピクと開いたりすぼんだりしている後ろの穴までが、おれの目の前に無防備に広げられた。
「ほらゾロ、…やらしーとこ丸見え」
「…っ、…やめっ……あ、ハアッ…」
おれはピンク色のそこに唇を寄せる。
「あ……っふ…」
ビクビクッと、ゾロの体はまたしても大きく反応する。
「おい…お前どんだけ煽るんだよ、マジで…エロ過ぎだっ」
後ろのほうのそこを舌全体でベロベロと舐めてやりながらゾロの顔を見上げると、明らかに快感に悦んでいる。
手錠されて、猫耳姿で…すげーなゾロ――
「なーゾロ…触ってほしいとこあるだろ?言ってみな」
「……っ…」
「そこの名前、言え」
「……」
(――シカトか?)
「…言わねェといつまでもしてやんねーぞ。ほら、そこでビンビンになってるそれだよ…何て言うんだっけ?ソレ」
おれはわざと一度だけ、指先でバチンとそこを弾いた。
「ん、ああっ…!…ふっ…も、もう…」
ゾロは答えないままで、ポロッと涙をこぼしながら下唇を噛むと、首を弱々しく横に振った。
(う…反則だっ―――)
「くそっ…かわいーなチクショ…ッ!」
おれはゾロが言葉に出来なかったソレを握り、荒々しく口に含んだ。
「うあっ…あ、あああっ」
「ゾロ…いつも以上にすげえ。気持ちいいだろ?ん?」
「あ…っ、……ん」
口を離して手で扱く。今にも出ちゃいそうだ。
「な?気持ちいいだろ?」
「ん……うん、キモチ…イ、」
「――!」
「あっ……っ――」
―――ゾロがイッたのと同時くらいに、おれの精神もかなりキた…今こいつ、「キモチイイ」っつったか?そんなこと、口に出したことねェのによ…
ゾロの手錠を外した。挿れんのに邪魔だと思ったから。