2年後からの海

□酔っ払ってグダグダトークだけども幸せな僕ら。
1ページ/2ページ


 深夜のアクアリウム。“隠れ家デート”よろしく二人きりでしっぽり酒を飲む人影がある。…なんちゃって。それはあの二人だから、いつまでしっぽりしていられるかはわかったもんじゃない。もちろん我らが喧嘩ップル、サンジとゾロの二人のことだ。

「コック!…うめェ、…うめェよこの…この、………???…魚の名前がわからねえろッ」

「は?…あー、そりゃどうも。…っつーかよ、なんだァその珍しくろれつ回ってねェ感じは。…魚の名前、今教えてもどうせ覚えねえだろお前…………って聞いてる?お楽しみはこれからなんだから寝てんじゃねえぞオイ」

「……………。……あっ?!寝てねえ、…寝てねェだろうが………クカーー…ッ」

「ふざっけんな!今夜はヤらせろっっ」

「痛っ……、…あれ?」

 眠りかけてた頭をバシッと殴られ、途端にゾロはハッと正気に返った。でも何が起こったのかはわかってなくて、間の抜けた顔でキョロキョロ周囲なんぞを見回している。

「んー…ところでゾロ、…あのな、言おうと思ってたことがあるんだ。おれァ先日、日曜のアニワンを見ていてすげえことに気付いちゃったのよ」

「……は?あにわん?突然なんだ?」

「パンクハザードに着いてよォ、いくらそこらじゅうが燃えてて暑いからってな、おめェがそのー、…大好きな露出を淫らにかまして濡れ濡れの上半身をはしたなく全国に披露しちまってまァ、朝っぱらからお茶の間にそのエロさってどーなのよっていうあのあたりのシーンのことなんだけど、」

「待てぃ!聞き捨てならねえ単語が織り交ぜられ過ぎだっ」

「あー?ホントのことしか言ってねえだろ。ともかくあのへんの画だよ、なんと!アニメーターによってお前の乳首を描いたり描かなかったりしてるんだ。ルフィやウソップだって上半身出してんのにアイツらはぜってェ描かれねえんだよ。なのにてめェだけは時々、カットによって丸いのがしっかりある!あれってェのは一体どうゆうことなんだろうな?」

「……………」

「……。…おい?何黙ってんだ?おれの話聞いてた?」

「や…聞いてたっちゃ聞いてたんだと思うが、…何を答えりゃいいのかサッパリわからねえ…」

「いやいや、だからよォ、あれは描いてる奴としてはこっそ〜り描いてこっそ〜り萌えて楽しんでんのかなあ…はたまたドMのお前は実はアニメのスタッフにまで色目使って『あは〜んゾロの雄っぱいをみんなに見られたいのォ〜プックリやらしい勃起乳首を描いて〜ン』ってな申し出を自らしたのかなァとか…」

「馬・鹿・な・の・か!それ以上くだらねえセリフ吐きやがったら千切りにするぞテメ」

「はんっ、てめェの雑な剣で千切りなんざァできるもんかよ」

 サンジが煙草に火をつける。
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ