2年後からの海

□悪夢
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 ここはクライガナ島シッケアール王国跡地、滅びた国に未だそびえる古城――“鷹の目”ジュラキュール・ミホークの住み処である。

 ロロノア・ゾロはここでミホークを師として剣の修行を続けているわけだが、ある朝目覚めると―――何一つ身につけない姿で両手両足をベッドに縛りつけられていることに気がついた。

「――っ?!」
「やっとお目覚めかロロノア…」
「鷹の目っ…なっ、なんだこれはっ。なんの真似だっ」
起き上がろうとするが、手足を広げてくくりつけられているのでとてもうまくいかない。

「…ロロノア、勝手にやって来たお前のことを、おれはこんなに面倒見てやってるんだ。そろそろ…その体を味わわせてもらおうと思ってな」
「なにっ…」
「フフフ…縛られる気配で起きなかったはずがない、という顔だな」
「……」
「ゴースト娘を騙して、寝ているお前をネガティブホロウで攻撃させたんだ」
「んだとっ…」
「人形のようにグッタリとしたお前を縛るなど造作ないことだったぞ」

 鷹の目に見下ろされ、ゾロの背筋をゾクリと冷たいものがつたった。

 あまり表情のないミホークの顔は、そのままゾロの顔へと近づき――

「な…にする気だ、やめろっ!…んっ、んん…」

強引なキス。
その唇を離したミホークは意外そうな顔をして、目の前で震える青年を見据えた。
「ロロノア…まさかお前が涙など流すとはな。身動き取れずにされるキスがそんなに怖いか。言ってみろ…誰の顔を思い浮かべたんだ?」
「…う、るせっ……やめろ、もう離せよっ」
「フフ…あいつかな」


 ゾロの言葉を無視してミホークは服を脱いだ。それからその無防備な体に覆いかぶさり、ゆっくりゆっくりと、肌の隅々までキスを続けていく。

 望まない愛撫が、抵抗を許されない体中にねっとりと降り注ぐ。

「…っ!…う……っ」
「…もっと声をあげてみろ、ロロノア」

 ついには、敏感に怯えるゾロ自身にまで…

「う…やめろっ!やめろイヤダッ――!」

 ミホークはその部分を舐めながら、後ろのほうも撫で回した。遠慮ない指が時々アナルまでを刺激し何度も通り過ぎていく。

「うっ…あ、…鷹の目っ…フザけんな…よせっ」
「ロロノアお前…男を知っている体だな」
「え…」
「よく馴らされている。…こんなことを無理矢理されて嫌でたまらないのに、可哀相に、己の意に反して感じてしまう体なんだな、クク…」
「っ!んなわけあるかっ…感じて、なんかっ…」
「ここをこんなにして…感じてないと言い張るのか?フフフ…まあ良い」

突然ミホークがゾロの顎を掴む。
「おいロロノア…おれのも舐めろ」
「はっ…?!」
「言っておくが歯など立てるなよ。今からもし反抗的な態度をとったなら…おれは貴様の恋人を斬る」
「え…」
「検討はついているから隠そうとしても無駄だ。いいか?これは脅しじゃあない。本当に斬ってやるぞ。お前次第だ」

ゾロは血の気が引いていった。
「鷹の目…?なっ…んで、お前がそんなこと…」
「フフ…おれは卑怯か?ロロノア。それでもいい。それでもいいからどうしてもお前を手に入れたかったんだよ!」
言いながらミホークは、興奮しきった暴力的なそれをゾロの唇にあてがった。
「くわえろロロノア…丁寧にしゃぶれ」
「う……んぐっ、あ、あ…」
「もっと舌を使って…うまく舐めるんだ」
ミホークがゾロの髪を掴み、自分のものをよりいっそう喉の奥まで入れようとする。


(おいマリモ!わかってんのか?お前だけなんだぞ、このサンジ様をこんなふうにするのはっ)

―――遠のきそうな意識の奥でいつかのサンジの声がする。
「う…ゲホッ、あ、ああ…」


(おうゾロ!一生忘れんなよ。お前をこんなふうに出来るのも、宇宙でただ一人おれだけだかんなっ―――)

「あ…」
「うん…いいぞロロノア、いい子だ、よくなってきた…」
「う…う」
ゾロの目は再び涙を流していたが、ミホークはその様子にすら興奮を覚えているようだった。

「よし…もういい。最後はその柔らかそうな穴からお前の中に入らせてもらうからな」

ゾロの顔が今まで以上に強張る。
「やっ…いやだ、されたくない!やめ…てくれ、たのっ…むから……」

聞く耳を持たないミホークはゾロの下半身に手をやり太股を持ち上げた。それから割れ目の奥に顔を埋め、窪みへと舌を這わせ始める――

「くっ…やだ!いやだっ―――サンジ、サン…ジッ!」

 ゾロは自分の叫び声に驚いてビクッと短く体を痙攣させた。


 その途端――先程までに比べ、急に視界が明るくなったのを感じた。


「あ……?」





(ゆ、夢――――か)

 服は着ている。もちろん縛られてなどいない。自分が横たわっているのはいつも普通に使っているベッドだった。

(おれは…なんって夢を―――)
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