クローバーの国のアリス
□幸せになれるクローバー
1ページ/1ページ
「お姉さん」
声のするほうを向くと、ドアの向こうから顔を出す双子がいた。
「どうしたの?」
「あのね、お姉さんにプレゼントを持って来たんだよ」
「プレゼント?」
そう言って手渡されたものを見る。
「これ、四葉のクローバー?」
「そうだよ。僕たちお姉さんに喜んでもらおうと一生懸命さがしたんだよ」
「ありがとう。嬉しいわ」
「ねえ、お姉さん今幸せ?」
「え?」
なぜそんなことを聞くのだろう?
プレゼントをもらって幸せでないはずがない
「お姉さん、この前言ってたよね。四葉のクローバーを見つけると幸せになれるって」
「だから、お姉さん今幸せ?」
「…ええ、幸せよ。」
でも本当は、クローバーなんてなくても私は二人がいてくれたらそれで幸せなのに
「これからもずっと一緒にいてくれる?」
私の問いかけに二人は笑って答えてくれた
「もちろん。ずっと一緒だよ」
いつか二人が大人になって私から離れて行ってしまうその時まで…
もらったクローバーの幸せが続きますように。
私はひそかにそう願った。
END