クローバーの国のアリス

□ドアの声
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朝起きたら外の風景が変わっていた。


彼が言うには『引っ越し』と称される地殻変動が起きたらしい。


「うわぁ…」

今は遊園地があった場所に訪れている。


遊園地なんて初めからなかったみたいに森が広がっている。

(…なんとなく不気味だなぁ。)


元が遊園地なだけにこの静けさは少し…怖い。


「…ん?」


よく見ると木の幹にはドアが張り付いている。


(なに…これ?)

木の幹にドアなんかあってもどこにもつながらないはずなのに…

グルリと周りを見回すとそこらじゅうの木の幹に大量のドアが張り付いている。


(……戻ろう)

元来た道を引き返そうと踵を返したとき、


「………ス…」


「え?」

「……て……アを…」

(…ヤバい。いろいろとヤバい)

幻聴?空耳?ドアから声が聞こえるなんて…


「…リ……けて…ブを…」

「!」

私は耳をふさいで滞在地へと駆け出した。


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