翠
□最後の君に言う言葉
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ずっと昔から一緒だった
小学校も中学校も高校も同じ学校で、クラスもかなり高い確率で同じ
お互いのメルアドも電話番号も家の場所も知っている
相手の趣味や特技、好き嫌いも知っている
毎日、朝会ったときから夕方帰るまで、顔を合わせるたびに他愛もない会話もする
そんな仲が12年間続いたんだ
――――好きにならないわけがない
告白は僕のほうから
ここは男としての意地というか、自分から告いたかった
「ずっと前から好きだった 付き合ってほしい」
その言葉を言えたのは、自分の気持ちに気付いてから5年も経った高校1年生の冬
毎年の恒例行事のように、君が僕にチョコレートをくれるから
そのお返しでクッキーを渡すときに言った
もちろん、この関係が壊れてしまうかもしれないという恐怖もあった
情けないけど、正直あのときの僕は恐怖で膝が大爆笑していたよ
君の返事は
「・・・うん 私も好きだったよ」
マフラーに顔をうずくめながら顔を真っ赤にしている君を見ていると、
今、言われた言葉が本当なんだと実感して、涙が出そうになった
なんとか堪えたけど