フリー小噺
□小噺 ―明けまして―
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月讀
「今日くらいは可愛らしくなさい。女の子なんですから」
久遠
「そうじゃそうじゃっ!夢は可愛らしいのだからきちんと女の子らしい格好をするのじゃっ!」
…いや、そんなこと言われても別に嬉しくはないのですが。
そして久遠、君に至っては保護者の台詞ですよね?それ。
…そんなわけで、明けましておめでとうございます。
元旦、と言うことでお着物を着せられてしまいました。
藍色の、ところどころ小さな模様がある綺麗なお着物。
…あ、勿論綺麗なのはお着物だけで。
私には激しく勿体無い、と何度も訴えたのですが…どうも月讀さんと久遠は聞き入れてくれませんでした。…嗚呼、私に着られるこのお着物が可哀想だ。
しかし、ついでです。
「………」
着せられ次いでに彼らにご挨拶に行きましょうか。
とりあえず、懐にこれを忍ばせて。
さて……いざ、ご挨拶に。
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