フリー小噺

□小噺 ―明けまして―弐
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ぽふっ、と乗せられたのは膝の上。

普段は竜尊の特等席。

千狸
「……冷たい」

結を膝の上に乗せた千狸は確かめるように結の手に触れた後、ぽつり、とそう呟いた。

そして結の小さな手を暖めるように、その両手を自身の手でそっと包む。

結の母親には、決して望めないこと。

与えられたことがないその温もりに結は戸惑って、嬉しくなって。

…そして

竜尊
「…あっ!」

そして、竜尊をうるさく思った。

あーあ、と思わずにはいられない。

ずんずんっ、と案の定、竜尊は近づいて千狸の腕を引く。

竜尊
「ゆーいーっ!横取りすんなっ!」


「良いじゃんっ!さっきまでりゅーそんはずっとここにいたんでしょー?少しくらい良いじゃんっ!」

竜尊
「良くねぇよっ!俺だって寒いんだっ!だからそこ退けって」


「あ、お日さまあがるよー?」

竜尊の文句をさらりと避けつつ、そして日が上がることへ竜尊の意識を向けて、



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