フリー小噺

□小噺 ―明けまして―弐
5ページ/6ページ

戸惑う竜尊に構わず、それは上がった。

結が言う、新しい年を告げる日が。

竜尊にえらそうに話してみたものの、結自身もはじめて見たそれは思ったより数段綺麗なものだった。


(…きっと)

あの人の傍だったらこんなに綺麗には見えない。

結は鬼である彼等と初日の出が一緒に見れたことにしあわせを感じて、頬を緩ませた。












「…そう言えば、お日さまが登ったら言うことがあるんだよ?」

竜尊
「ふぅん?…なんて?」


「明けましておめでとう、今年もよろしくねっ、て」

竜尊
「……へぇ?なんで?」


「礼儀的なやつじゃない?」



―了―
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ