Z組です、天才です!
□真貴と兄妹
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―side 真貴―
5月の初め、僕たちZ組は放課後に喫茶店に寄って帰ることがブームになっていました。
普段は部活や委員会の仕事で全員そろうことは中々ないのですが…
今日は珍しく全員そろってのティータイムです。
「マキティってさぁ」
目の前で、コーラの入ったグラスをいじりながら結希様が僕に声をかけます。
「はい、何ですか?」
「マキティって、キレたことある?」
唐突な質問の割りに、核心を突くようなことを言われて、僕だけでなく周、叶、歩まで氷つきました。
「…結希さ、そういうこと聞く必要あるの?」
歩が慌ててフォローに入ろうとしてくれますが、結希様は空気を読んではくれませんね…
「だって、マキティって何しても怒らないじゃん?」
「そうどすねぇ。真貴君は穏やかな性格しとりますからなぁ」
「というか、真貴に"怒り"とかいう感情無いんじゃない?」
それに、琴乃様や紅羽様まで便乗してしまって…
『お兄ちゃん…紗貴、死ぬの…?』
「…っ!」
昔…言われた一言を思い出して、僕は身震いがしました。
僕は慌てて立ち上がって、かばんを持ち
「す…すみません、僕今日は帰ります!」
足早にお店を後にしました。
「あーあ、結希のせいだからね」
「あ、あたし変なこと言った!?」
「まぁ…結希ちゃんは知らないから仕方ないさ…」
「真貴君、どないしはったんどすか?うちらが聞いては、あかんことどすか?」
「別にそういうことではないとは思うが…」
「真貴にとっては、自分が死ぬより辛いことだと思うよ、あれは」
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