Z組です、天才です!

□犬と日曜日
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「犬…ですか」

周に連れてこられた真貴の家は…とてつもなくでかい。

地元で1番大きな家でも、こんなに無かったのに…

「あぁ、紅羽が拾ってしまって。どうだ?」

周が真貴へ犬をぐいっと差し出す。

「そう、ですね…飼いたい気持ちは山々ですが、家はお客様の口に入るものを作っていますので…申し訳ないです…」

「そうか…」

真貴の言葉に、周はしゅんとした(ように見えた)。

「僕も里親探しを手伝いたいですが、生憎、お母様の手伝いを頼まれているので…お力になれなくて申し訳ないです。」

「ううん、そんなこと無いよ。こっちこそ邪魔したね」

「いえ!では、頑張ってください。里親が決まったら、僕にも教えてくださいね!」

そう言って、真貴の家を後にした。





次に来たのは、叶の家

「犬ねぇ…」

叶は困ったように頬をかいた。

「俺もね、何度か拾ってきたことがあったんだけど…家で動物飼うのは、危険だよ」

あたしには、叶の言ってることがさっぱり分からなかったけど、周は納得してるみたいだった。

「あぁ…あの人たちが居れば、それは危険だな」

「だろ?」

首をかしげているあたしに周が気付き、叶うに説明するよう目配せした。

「家の母さんと弟、小さくて可愛いものが大好きでさ…昔、子犬を拾ってきたら、振り回す振り回す!!これじゃ、犬が死んじゃうと思って慌てて里親探したよ」

そ、そんなことが…

叶の家には、この子は置いて置けないかな…うん。

「…と言うことで、家はパス。悪いね」

そうして、叶の家もダメだった。




「次は歩の家だが…行かなくても、結果は見えてるな」

「え?何で…」

周はふう、と大きなため息をついた。

「考えてもみろ。あの歩だぞ?」

…確かに。

歩のことだからきっと――

『はぁ?僕が犬なんか飼うわけ無いじゃん!
 汚いし、煩いし、僕世話なんかできないし!』

周はあたしの顔を覗き込んで、「な?」と苦笑。

「…仕方ないから、この辺の家当たってみよっか」

「だな」



あたしと周は、空が赤くなるまで手当たり次第に家を回った。





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