Z組です、天才です!

□北十字星
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「グレイ、顔色悪いけど…今日は休んだら?」

朝起きてリビングへ行くと、あゆはもう朝御飯を食べ終わっていた。

「うそ、そんな酷い?」

「うん、青いよ」

「まじか…休もうかな」

「そうしなよ。先生には言っておくからさ」

あゆの優しさに今日はすごく助けられた。




「亜沙美さーん、俺今日休むー」

「あら、どうしたのグレイくん?体調悪いの?」

あゆが登校したあと、あゆのお母さんの亜沙美さんに声をかけた。

「うん、なんか調子悪くて」

「あら…大丈夫?」

心配そうに俺の額に手を当てる亜沙美さん。





「っ!」

その手を思わず払い除けてしまった。

「ご、ごめん!熱はないよ!」

一瞬頭によぎった、懐かしい顔。

思い出しそうで怖くなった。



「グレイくん、ちょっと外お散歩しておいで」

「え?」

亜沙美さんはにこやかに俺に告げた。

「お仕事と学校とで疲れてるんだよ。ちょっと気分転換しておいで」

そう言って俺の手に五千円札を握らせた。

「だ、ダメだよ亜沙美さん!こんなにもらえないよ!」

「いいのよこれくらい!グレイくんにはいつもお小遣いあげてないんだもん」

にこにこと笑う亜沙美さん。

どこかあゆを感じさせる笑顔だ。

「それに、グレイくんも私の大事な息子だしね」

息子

その言葉が胸に刺さった。






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