OTHER

□★シロツメクサ(L)
3ページ/4ページ

ついに彼女から嗚咽が漏れた。

「ふぇっ…やだ、Lぅ……っ!も、それ…いい、から…、Lっ、早く……」

――落ちた。
彼女に気付かれないように、フッと笑みを零す。

「――了解」

優しく足を開かせて、彼女のそこに自身を宛がい、体重を掛けて一気に突き入れた。

「は、ああぁーーっ!!やああっ、はぁっー、L、Lっ!」

彼女は悲鳴のような声を上げて、その細い背中をそり返しながらLの首に回した腕に力を入れた。涙を堪える事ももうできなさそうで、綺麗な涙を流しながら何度もLを呼んだ。
締め付けられる快感と痛さの中、Lは彼女に問い掛けた。

「……っ、痛いのですか…?」
「ううん、…違、う…。今、私がLの一番…近くにいるのが、嬉しい、の…。今度会えるときまでっ……忘れたくないから……手加減、なんかしないでね」

Lが自分の中にいる快感と苦しさで、言葉は途切れ途切れにそう話した彼女。でもこんな時だからこそ本音が聴ける。もとより彼女はこういう事ではLにはウソなんかつかないのだけど。――いや、つけないと言った方が正しいのか。すぐに見破られてしまうそうだ。
不覚にもLは彼女のその言葉に涙が流れそうになった。

「……ええ、もとよりそのつもりですから」
「いつもよりも…強く…残して、ね…」

Lにとって彼女はどんなものよりも魅力的なのだ。今日はそれに加えてセックスでの色気もある。白いシーツの上に乱れる彼女の長い漆黒の髪が綺麗だ。Lは今度こそ我慢がきかなかった。

「ンッ、はぁ、ああっ、やあ、あ!はっ、ね、え、L…?」
「ん……?どうかしましたか?」
「はぁ、ふ…、もっ…と、奥、来ても…大丈夫、だよ……」
「ええ…、貴女が一番感じるところは……ここでしょう…?」
「いやああぁっ!ひぅっ、はあっ、あ、ンアッ!」

彼女がLをもっとと求めた瞬間、Lは彼女の最奥の場所を突き上げた。
忘れるはずがない。愛してる人が自分で一番感じてくれるポイントを。

「あぁっ、L!あ、やぁっ、そこ、は…はぁ、ンッ!」
「ここ、がいいんでしょう……?」
「はあぁっ、ふあっ、あ、あぁっ!」

もう彼女は言葉を紡ぐことも困難な状態で、Lの問い掛けでもこくこくと頷く事で精一杯だ。
Lはその時、背中に鈍い痛みを感じた。おそらく、彼女がつけたのだろう。
――いっそのこと、消えなければいいのに――。

「ああっ、L、Lっ!わた、しっ…も、ダメッ… 」
「…では、私も貴女と共に……ッ」

彼女の一番感じる最奥を、激しく、強く、突き上げる。
その瞬間、彼女の中が収縮して、彼女の中のL自身を強く締め付けた。

「ああぁっ、Lっ!やあ、あ、ゃ、ンアアアーーッ!!」
「……クッ……」

彼女の締め付けにLも持っていかれ、Lも低い声を出し、彼女の中に全てを放った。
精を出しきった後、Lはゆっくりと引き抜いた。
まだ余韻にポーッとしてる彼女にキスをして、頬に掛かった髪をどけてやった。

ちら、と時計を見ると、この部屋に入ってから、一時間は過ぎている。
……そろそろいい加減戻らなければ。できればまだ彼女の傍から離れていたくない。

「いってきていいよ。私は大丈夫だから」

その声のしたほうを振り向くと、彼女はいつもの綺麗な顔で笑っていた。

「しかし――」
「L。自分がここにいる理由を忘れないで。今回は私の我侭、聞いてくれてありがとう。私は本当に大丈夫だから……いってきて」
「……解かりました。――いきます」

最後に彼女の髪にキスを残して。
やはり彼女の髪からは、懐かしいシロツメクサの香り。
そして、それきり振り向かずに、Lはその部屋を後にした。


それが、彼女の見たLの――愛する人の最期の姿だった。




_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ