長編サイド小説

□寒がりな猫
1ページ/3ページ






肌に冷たく刺さる空気に目が覚めた。










暗く、静まり返った部屋中に、冷たい空気が充満していた。

微かに聞こえるモーター音。

どうやらエアコンをつけたまま眠ってしまったらしい。





背中には柔らかいベッドの感触。

背中は暖かい。

でも、ベッドに眠るオレの身体の上には、かけていたはずのタオルケットがなかった。





手探りで探しても見つからない。

オレは身体を起こそうとしたが、身体が金縛りにあったように動かない。










身体の半分…左側に感じる重さ。





そして、それと同時にそこに暖かさも感じる。





冷たくなったオレの肌。

そして、冷えきった室内。





颯太が、オレの左腕に身体をまきつけて、眠っていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ