おはなし

□melt(サンゾロ)
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『…ん…もう5時か。
…朝食の準備でもすっかな』

『…zZz…』

『…かっわいい寝顔しやがって、大剣豪のくせに…』

『ん…コック…メシか?』

『あぁ、悪ぃ。起こしちまったか?』

『いゃ…今日もうめェやつ
頼む…ぜ…(ニカッ)…zZ』

『…ッ!!//』


♪コックと剣士 今日も互いを
想いながらも
胸に 秘め


―――melt〜ver.SANJI―――


朝 目が覚めて
真っ先に想い浮かぶ
てめェのこと


思い切って 左目を晒した
「…どうした?」
って 訊かれたくて


『…っし、買い出しでも行くか…』


ブルーのYシャツ
タバコの灯ライターで
点けて出かけるぜ
今日の俺は 恰好いいだろう?


メルト 溶けちまいそうだ
好きだなんてぜってぇに言えない
だけど
メルト 目も合わせられねぇ
野郎に恋なんてしないぞ俺は
なのに てめェの事が…
好きだ




ポツ…ポツ…


『ん…雨?おかしいな、ナミさん今日は晴れるって言ってたんだが…
くそっ…傘持ってきてねェし…この荷物だ。』


タッタッタッタッ


『おい…コック!』


『…っ!ゾロ…?』


『…迎えに来た』


『…てめェ、よく迷わなかったな』


『お前だけは、どこにいてもすぐ見つけられるんだ。なんでか分からねぇけどよ』


『……っバカ、急にそうゆう事言うんじゃねぇ///』


『はァ?
いいからさっさと入れよ、濡れてっぞ?』




航海士が 嘘をついた
土砂降りの雨が降る
本当はそこらの
レディの傘でも借りれたけど
足音 聴こえた
…もしかして


「仕方ねぇから入ってやる」とかよ
耳まで赤ぇのばれてねェよな?
恋に 墜ちる音がする


『…なんで傘一本しかねェんだよ…
…狭ぇよ…』


『おいコック、もっとこっち寄れよ。
ほら…肩濡れてんじゃねぇか』


『バカ…触んなって//』




メルト 息が苦しくて
てめェに触れた 左手が 震える
熱い鼓動 半分この傘
手を伸ばせば 届く距離
どうすればいい…!


『なぁ…ゾロ、雨酷くなってきたし、ちょっと雨宿りしていかねェ?』


『駄目だ。』


『けど、お前めちゃめちゃ濡れてんじゃねぇか!やっぱり男二人に傘一本じゃ無理があるぜ…』


『…船で皆が待ってる。
早く帰って、昼飯食わせねぇと』


『そうだな…腹減らしたルフィの奴がうるせぇだろうしな』


『…それに、俺も、てめェの飯、早く食いてェしな』




畜生、時間よ止まれ 泣きそうだ
…くそっ
嬉しくて 死んじまいそうだ!




『…よし、もう着くな』


『よく考えてみれば…てめェと俺が二人で行動するなんて…あんまりねェことだよな』


『ああ…でも俺は案外、楽しかったぜ?
お前はどうだ…コック?』


『俺?俺は…』




メルト 船に着いちまう
また仲間として 近くて 遠い距離


『俺は…』


キュッ


『!!…コック…?』


『俺は…てめェが好きだ!』




だから
メルト 『手を繋いで歩こうぜ?』
ほら プリンスと呼んだって いいんだぜ?




…今すぐ 『てめェを 抱きしめてェ… 』
なんてな!






『…コック』

『…ゾロ』




『俺も、てめェが好きだ』


『…抱きしめても、いいかな』


『…ああ』


ギュッ




『さ…帰ろうか、船に』


『…ずっと このままでいてェ…なんてな』

『…っ///』




♪コックと剣士 ある雨の日に
照れて笑って
ずっと 二人で…


―――END―――


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