20のお題

□02:君のため、それはきっと私のため。(ロビゾロ前提麦わらオール)
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もう少しだけ…付け加えても、いいかしら。

やっぱり私にとっての剣士さんは…
特別、だから。






私が最初に船に乗った時、彼は酷く私に冷たかった。
敵だったんだから…当然よね。


私を信用仕切っている他のみんなの命を守る事が、戦闘員としての彼の役目だったのだもの。


でも、私は彼等への裏切りは難しくなりそうだと感じた…


いえ、正直に言うけれど…


彼等を裏切りたくない、と思うようになってしまっていた。


だから彼の拒絶に酷く傷ついた。






けれども…ね、彼は少しずつ私を知ろうとしてくれた。


「ろくに知りもしねェ奴に判断を下すことなんてできねェ。」


と、ぶっきらぼうに言って。


嬉しかった。
いつも誰にも私の声は聞いてもらえなかったから。


そして、彼なりに私を理解したとき、彼は私の全てを受け入れてくれた。


「私の生きてきた闇に飲み込まれても知らないわよ?」
と私が問えば


「俺が生きてきた闇とどっちがひでェか勝負してやろうじゃねーか。」
と笑って返した。


その笑顔は残酷で、けれど私には酷く綺麗に見えたの。





剣士さん…ゾロは、私に多くのものを与えてくれる。


私が少しなにか手伝ってあげるだけで、真摯に感謝してくれる。


私が…愛を告げれば、恥ずかしそうにうつむいて額を掻く。


私の弱さを、闇を訴えれば、脅えが去るまで強くつよく抱いていてくれる。






「ばかね…
私が与えるのは、欲しいから。
自分が満たされるためにあなたを利用しているのよ?」
と私が呟けば、


「んなもん好きなだけ利用すればいい」
と彼は嘯く。






そんな彼の優しさが欲しくて私は…
今日も偽りの優しさを捧げるの。
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