おはなし

□永久の約束(サンゾロ前提オール,ななみ様リク)
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「敵襲、敵襲ーっ!!」
突然、見張り台に立っていたウソップが大声を張り上げた。

「…ん?海賊か?」
メインマストにもたれて居眠りしていたゾロが刀に手をかける。
「ああ、海賊旗が見えるからな。さあ、皆の者、キャプテン・ウソップ様の指示に従って配置につくのだッッ!敵は三隻、ちぃと数が多そうだぜ。まあ狙撃名人の俺様の手にかかればちょろいもんだがな」
「んぐんぐ…ごくんっ。しししっ!島も見えねぇし、ちょうど退屈してたとこだ。」
ルフィはおやつをほおばりながら立ち上がり、ぐるぐると腕を回して戦闘体勢をとった。
「ヨホホホ、久々の戦闘、胸が躍りますね…って、ワタシ、胸ないンですけどーッ!!ヨホホホホ!スカルジョーク!」
ティーカップを持ったまま、ブルックも立ち上がる。
「ったく、骨の癖にうるせェ野郎だぜ!だが、俺様も負けちゃあいねぇ。なぜなら今週の俺は!アーウ!スーパー!!だからだッ!」
「うん、フランキーはいつ見てもかっちょいいなぁ…!よーし、おれも戦うぞッ!」
フランキーとチョッパーもそれに並んだ。
「おやつ時に戦闘をふっかけるなんて、行儀のクソわりィ奴等だぜ…ったくよ。ナミさんとロビンちゃんはゆっくりしててくださいね。すぐに全員オロしてきますから」
と、ナミとロビンを庇うようにサンジが立つ。


「よーし、野郎共!かかれーっ!」
ルフィが声をあげると同時に、一味は敵船へと乗り込んだ。




戦闘はルフィ達に有利に進み、敵船は一隻を残して壊滅状態となっていた。
しかし、ここで残された一隻が反撃にでた。
「…っこうなったらこれを使うしかあるまい!くらえっ、海楼石網!!」
敵の一人が黒っぽい網を取り出して、空中に放つ。すると網はひとりでに動き出し、能力者であるルフィ・チョッパー・ロビン・ブルックを捕らえた。
「なんだ、この不思議網?…あれ、体が動かねぇぞ…」
ルフィ達四人はなす術もなく甲板から海へと落下してゆく。
「まずい!このままじゃあいつら溺れちまう…っ!助けねェと!…ナミ、ウソップ、フランキー、飛び込め!」
ゾロは斬り合いを中断して海へ飛び込んだ。名を呼ばれた三人も、それに続く。
ゾロは溺れて気を失っているルフィに辿りつくと、網を切断しようと刀を抜いた。
「…ちくしょう、斬れねェ!」
「ゾロ、早くして!船から狙われてるわよ!」
チョッパーを抱えたナミが叫ぶ。
「うるせェわかってる!…くそっ…鉄より硬ぇのか…っ」
「もうだめだ、でかい砲弾がこっちに向かって飛んできてる!!」
ブルックを支えながらウソップが呻く。
「いくらスーパーな俺でも、女を抱えたままじゃ反撃できねェぜ。諦めて覚悟するしかねェか…」
ロビンを担ぎ上げたフランキーがため息を吐いた。
「この距離で砲弾を斬れば…全員に被害が及ぶ……くそっ!もう逃げられねぇ!」
巨大な砲弾は海に漂う8人のすぐそこまで迫っていた。
「…っ!!コック!!頼む!助けてくれ!!!」
ゾロが叫んだ、そのとき。




「やーっと俺を頼ってくれたな、マリ藻ちゃん♪」
甲板で戦っていたサンジが振り返って、ゾロに笑顔をむけた。
「!!コック!!頼む!何とかしてくれ!」
「おう、任せとけ。そのかわり、あとのことは頼んだぞ」
「…っ?!」
「じゃあな。クソ愛してるぜ、ゾロ」

ゾロが、サンジのそのいきなりの告白を訝しむ間もなく、サンジは迫り来る砲弾に向けて飛びあがった。

「反行儀キックコース!!!」
サンジの強烈な蹴りによって砲弾はコースを変え、残る一隻の敵船へと向かっていく。
そして、サンジもろとも敵船へと突っ込んでいった。

巻き起こる爆風。
巨大な砲弾の炸裂によって敵船は完全崩壊を喫した。



麦わらの一味は、網を操っていた敵が倒れたことによって解放され、無事、サニー号へと帰還した。
ただ一人、爆発に巻き込まれたサンジを除いて。
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