おはなし

□永久の約束(サンゾロ前提オール,ななみ様リク)
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「チョッパー、具合どうだ?」
医務室にやってきたルフィが、ベッドの脇に座って包帯を巻いていたチョッパーに尋ねる。
ベッドに寝かされたサンジの周りには、クルー全員が集まっていた。

「できるだけのことはやった。薬も飲ませた。だけど…爆風で内臓がやられてるんだ。」
「じゃあ、肉食べさせていいか?持ってきたんだ」
「ばか、ダメに決まってるでしょ!だいたいなんであんたはそんなに明るいのよ!サンジくん…このままじゃ死ぬかもしれないのよ…っ!!」
ナミが目に涙を浮かべながら言う。
「え…っ。…チョッパー、サンジ…死ぬのか…?」
「…わからない。今言えるのは、本当に命が危ない状態だってことだけだ。」
「そんな…っ!死ぬ、なんて……なんとかなんねぇのかよ…っ」
ウソップが顔を歪ませる。
「おれだってそんなの嫌だッ…!だけど…これ以上どうしようもないんだ…ッッ!!!」
チョッパーが涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら答える。
「ちくしょう!!なんてこった!俺達を庇ってこんなことになっちまうなんて!俺ァふがいねェぜ!」
フランキーが拳をがん!と床に叩きつけた。
「サンジ!おいサンジ起きろ!肉分けてやるからよ!」
「サンジぃ…死ぬんじゃねェぞォ…っ!」
「…サンジ君…っ!!!」
「ヨホ…サンジさん…しっかり!!」
おのおのが目を覚まさないサンジに向かって涙を流しながら叫んでいた。



そんななか、ゾロは一人、三本の愛剣を抱えて医務室の隅にあぐらをかいていた。
「…お前ら、騒ぐんじゃねェ。」
サンジに向かってわめいているルフィたちに向かって一喝する。

「…剣士さんは、ずいぶん落ち着いているのね。」
ロビンが静かに言った。

「騒ぐと病人の体に障るだろうが。」
「だけどあんた…サンジ君のことが心配じゃないわけ?サンジ君はあんなにあんたのことを大事にしてたのに…薄情者!」
ナミが涙を浮かべたままゾロの方を向いてきっと睨み付ける。
「出来る限りの手は尽くした。そうだろチョッパー? 」
「お、おう…」

「じゃあ後はごちゃごちゃ言っても仕方ねぇ。俺がコックの為にしてやれることは何もねェ。この船の医者はチョッパーだからな、俺はチョッパーの医術を信じて待つ。
コックがいねェからには、料理は俺達で分担するしかねェ。それ以外にも、やらなきゃいけねェこたぁ山積みだ。
それで助かるときは助かる、だめな時はそれまでだ。お前等も腹くくっとけ」
ゾロは静かに言い切った。

「そうね…薄情者なんていって悪かったわ…」
「そうだ、俺が医者なんだ、俺がしっかりサンジのこと看てあげなきゃ」
ナミは涙をぬぐい、チョッパーは胸の包帯を巻き直し始めた。

「わかった。…だけどな、ゾロ。おまえの言ってることの中に、一つ間違ってることがあるぞ。」
「…なんだ、ルフィ」
「おまえがサンジにしてやれることは、何もなくなんてないぞ!…おまえは、サンジの傍にいてやれ。それが一番の薬だからなっ!じゃ…サンジの事、たのんだぞ!」
しししっと笑いながら、ルフィが他のクルーを連れて医務室を出ていく。
「…チョッパー、お前も少し休め。ずっと寝てないだろうが。」
「…いいのか?」
「おう、コックは俺が看ててやるからよ。」チョッパーはありがとう、と言って医務室を出ていった。
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