おはなし

□甘い宴(サンゾロ前提麦わらオール)
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コックは剣士を探しにキッチンをでる。


すると、お目当ての緑頭が
目の前の甲板に見えた。
その周囲を囲むクルー。





「…雛祭りってのは、俺のふるさと…シモツキ村で毎年春になると行われる、女児の居る家でその子供の成長と幸福を願って、雛人形を飾る儀式のことだ。

俺は男だからやらねェが、幼なじみのために毎年道場でささやかな祝いをしてたから、なじみぶかいんだ。


ひな、自体は小さい人形のことだが、ブルックが言った『鳥の子』って意味もあるし、
フランキーの言った『ひな壇』のひなも同じ『雛』だ。


それに『愛らしい』っつー意味もあるから…ロビンが言ったヒナとかいう女好がどんな奴かは知らねぇが、あながち間違っちゃいねェかも…な。」



「ヨホホホホ!!なるほどそうだったんですか!」

「アゥ!スーパーよくわかったゼ!!」

「へぇ〜…おもしろい習慣だナ」

「興味深いわね…ふふっ」

「…ゾロって…意外と物知りなんだな…」

「私もやりたいかも!!」

ナミもいつのまにか輪に加わっている。



そして、口々に喋っていたクルーに続いて、ルフィが嘆く。
「なんだ、ひなって食えねーのかぁ〜」

「…いや、雛祭りには、菱餅やあられ、白酒、甘酒、桃酒なんかをたしなむ風習がある」






「…おっと、それさえ聞けりゃあ
コックにゃ十分ってもんだ。」




サンジは呟くと
くるりと踵を返して、キッチンへ向かった。




「獣を飼い慣らすには、餌付けから
…ってな。

想い人の心をつかむには、
まず胃袋をつかめ、とも言う。



さてと、作ってみせようか……
雛祭りの甘いご馳走」




コックがキッチンへ戻るとほぼ同時に、船長が

「サンジぃ〜〜〜〜!!
ヒナマツリしよう!!!!!!」

と、キッチンに突っ込んでくることとなったのだが。
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