おはなし

□まりも記念日(ゾロ総受け,麦わらオール)
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「さて、乾かすとしますか。」


「ええ」


「…髪なんて日に当たってりゃ乾く」


「あんたは黙ってて!」


ナミの愛ある拳をくらったゾロが、渋々甲板に腰をおろしたところに、昼ご飯の支度を終えたサンジが通りかかった。

「なみすゎ〜んvろびんちゅわァ〜んvコック・サンジ特製★とびきり美味しいレディースランチ!ができましたよォ〜♪♪さめないうちに召し上がれ!」


ナミとロビンの姿を見るなりくるくる回りながらハートをまきちらしている。
どうやら、もう一人の存在には気づいていないようだ。


「ごめんサンジくん、今ちょっと取り込み中なのよ」


「剣士さんの髪を乾かしてから行くわ」


二人にそう言われて目線を下に向けた所には、甲板に座っている緑髪の男。


「…くそまりも、そんな所でなにしてんだ?」


「知らねェよ、ナミとロビンに聞きやがれ」

「…レディ達、これはいったい?」


困惑して二人を見るサンジ。


「そうだ…コックさんに髪の毛乾かしてもらうっていうのはどうかしら?」


「それいいわね!せっかくのランチが冷めちゃったら嫌だもの。…という訳で、サンジくん、ゾロをお願いねっ☆」


「もちろんっ!レディの為なら男・サンジ、何なりとやってみせます〜vv」


「じゃあよろしくね♪」


「しっかり…乾かしてあげるのよ?」


「あァ〜いナミさん、ロビンちゅわんv」


ナミとロビンはドライヤーをサンジに渡すと、昼食をとりにキッチンへと入っていった。





残されたのは、びしょぬれの緑髪とドライヤーを片手にふーっとため息を吐く男。


「で?なんでお前が髪洗ってもらったんだ?しかもレディーに…ナミさんとロビンちゃんに…くそ…どうせなら俺の髪を洗ってくださったらよかったのに…」


ブツブツ言いながらかちっとドライヤーを付ける金髪の男。緑髪はむすっとした顔で答える。


「知らねェ。……ロビンの奴が、今日は…ま、まりもの記念日だとか言って、それでナミが、いきなり」


「ぶぁはは!まりも記念日!!!」


「うるせェ笑うな!」


「悪ぃわりぃ。そりゃお前…祝ってやんなきゃな!まりもだもんな、お前!あはははっ」


「…もういい。髪なんかほっときゃ乾く。さっさとキッチン戻りやがれ」
どうやらご機嫌を損ねてしまったらしい。サンジはすっかり向こうを向いてしまったゾロの後頭部にドライヤーの風を当てた。


「んひぁっ!…おぃ!急に風あてんな!」


「…ゾロってほんと、首筋弱いよな」


と言いながら、つーっと襟足から首筋、肩甲骨のラインを指でなぞる。


「…っふ…やめろエロコック…!」


「んー…ヤダ。ゾロがそんな声出すのがわりぃんだぜ?」


後ろから身体を抱きかかえるようにして、胸の飾りへと手を伸ばす。


「まりも記念日だもんな、俺もちゃんと祝わねぇと」


「まりもじゃね…ぇっ」


「まったく…可愛いマリモちゃんだぜ」
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