理想と真実2
□出会いと決着
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Nが負けたことニより、ついにゲーチスは本性を現し、トウコにバトルを挑んできた。
その最中にNは、あることがキッカケでトウコとの出会いを思い出す。
数年前、Nはゲーチスに拾われて、いきなりあの部屋に連れていかれた。
拾われる前は、ポケモン達が側にいてくれたから、寂しくはなかった。
でも、いきなり1人ぼっちにされて、寂しくて不安で辛くてたまらなくなった。
生まれつきポケモンの声が聞こえるからなのか、城にいる人間達は、Nを気味悪がり誰1人自分からは関わろうとしなかった。
時々Nが城の中を歩いていると、プラズマ団員達は、ひそひそと陰口をもらす。
「ゲーチス様が仰っていたけど、あの子、化け物なんだってね」
「気味悪いよ。なんであんな化け物なんて拾ってきたんだろうな」
「ポケモンの声が聞こえるなんて普通じゃない」
「さっさとあっちいけよ、化け物!」
誰にも相手にされなくて、挙げ句の果てには化け物呼ばわり……
いきなり1人になって、Nは辛くてたまらなかった。
外にも出してもらえなくて、Nは毎日が辛くかった。
そんなある日、Nは城の中を歩いているとたまたま外に通じているドアが開いていることに気付いた。
周りを見回すと、辺りには誰もいない。
外に出ることは禁じられているが、Nは恐る恐るドアに手をかけた。
「…ちょっとだけなら、大丈夫だよね……」
Nはそう呟くと、意を決してドアを開いた。
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