理想と真実
□ジムリーダー・アロエ
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「ミルホッグ、良くやってくれたよ」
アロエはミルホッグに優しく声をかけた後、トウコに近づく。
「見事な戦いっぷりだったじゃないか。
アンタはこのベーシックバッジを受け取るにふさわしいトレーナーだよ!」
「ありがとうございます!」
トウコはアロエからベーシックバッジを受けとり、バッジケースにしまった。
すると、トウコはダゲキがまだ落ち込んでいることに気づいた。
「ダゲキも本当に頑張ったよ。だってハーデリアを倒せたんだからさ」
「ゲキ……」
そう声をかけても、ダゲキはいまだに悔しそうにしているが、どこか動揺しているような様子だった。
ダゲキはトウコに優しい言葉をかけられたりするたびに何やら動揺している。
「ダゲキ…どうしてそんなに動揺するの?」
「ねぇ、そのダゲキ…ひょっとして修行のいわやでゲットしたかい?」
「はい、そうですけど……」
アロエはじっとダゲキを見つめた後にトウコにそう聞いた。
「…まさか、アンタはあのダゲキかい?」
「えっ?…どういうことですか?」
アロエはまるでトウコのダゲキを知っているようだった。
「…少し前のことだよ。あるトレーナーがこのジムに挑戦しにきてね…私に負けたんだ。その時に出したのがおそらくこのダゲキだよ」
「…それって…じゃあ…このダゲキにはトレーナーがいたのに…何で……」
「間違いなく…捨てられたんだよ、そのダゲキは……」
「えっ!?」
アロエの言葉にトウコは目を見開き、言葉を失った。
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