理想と真実
□始まりの日
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イッシュ地方のとある町、カノコタウン。
いつもと変わらないある朝、今日からトレーナーになる3人の内の1人の家に、アララギ博士からあるものが届けられた。
「お母さーん、届いてるー?」
ドタドタと1人の少女が階段を降りていた。
髪をポニーテールにした活発そうな少女の名は、トウコ。
「えぇ、届いてるわよ」
トウコの母親がリビングから顔を出し、アララギ博士に届けられた箱を差し出す。
トウコはこの母親と2人暮らしで、父親はトウコが幼い時に旅に出たらしい。
「はい!ついに今日から、アナタはトレーナーになるのね」
トウコはポケモンが入っている箱を受け取る。
「うわぁ、この中にポケモン達がいるんだよね」
トウコは嬉しそうに箱を受けとる。
ピンポーン!
「あっ!多分チェレンかベルだ!」
家のインターホンが鳴り、一旦箱を置いてトウコは玄関に向かった。
ガチャッと扉を開けるとそこには幼なじみのチェレンが立っていた。
「チェレン、おはよう!ポケモン届いてるよ!」
「あぁ、おはよう、トウコ。ところで、ベルはまだ来てないのかい?」
「うん、まだ来てないよ」
「やれやれ、いつもベルが一番最後だ」
ベルとは、もう1人のトウコの幼なじみである。
おっとりしていて、多少マイペースで集合にはいつも少し遅れてしまう。
「まぁ、立ち話もなんだからチェレン君上がって。
ベルちゃんは私に任せて!」
ヒョコッと顔を出したトウコの母がそう声をかけた。
「それじゃあ、お邪魔させてもらいます」
「じゃあ、私の部屋でベル待とうか!」
トウコとチェレンはトウコの部屋に上がっていった。
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