理想と真実
□Nという青年とベルとの再戦
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ポケモン解放を呼びかけた男、ゲーチスの演説が終わった後、早口の青年がトウコとチェレンに話しかけてきた。
「君のポケモン、今話していたよね」
「…随分と早口だね、それにポケモンが喋っただって?」
トウコもこの人は、かなりの早口だと思った。
青年は帽子を目深に被っていて良く顔は分からないが、とても整っていた。
「あぁ、話していたよ…そうか君達にも聞こえないのか、可哀想に……ボクはN」
「…私はトウコ」
「ボクはチェレン…」
向こうが名乗ったので、一応トウコとチェレンも名乗った。
「ボク達はポケモン図鑑を完成させるために旅にでたばっかりだ」
「ポケモン図鑑ね…それで多くのポケモン達をボールに閉じ込めるんだ…」
「閉じ込めるって…」
確かに今、ミネズミはボールに入れてるけど…
「ボクもトレーナーだけど、いつも疑問に思う、ポケモン達はそれで幸せなのかってね…」
そう言いながら、Nはトウコに近付いてきた。
「……そうだね…トウコだったか…君のポケモンの声を聞かせてもらおう」
Nがボールを構えた。
「おい、トウコに何する気だ!?バトルならボクが…」
「大丈夫よ、チェレン!」
「ミジュ!」
ミジュマルは自分から、トウコの腕から飛び降りた。
「頼むよ、トモダチ…チョロネコ!」
Nはチョロネコを出した。
「チョロネコ、ひっかく」
「ミジュマル、かわして体当たりよ!!」
「ミジュミジュ!!」
「もっと君のポケモンの声を聞かせてくれ」
Nはミジュマルが何かを言ったとき、一瞬動揺し言った。
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