理想と真実2
□伝説のドラゴンポケモン
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トウコはNと別れた後、9番道路を通り、ようやくソウリュウシティにたどり着いた。
ソウリュウシティは入口付近の所で、街の人々が集まっていた。
「何だろう?この人だまり……あっ!」
人々の視線をたどり、目線を向けるとトウコは驚いた。
人々の視線の先にいたのは、ゲーチス率いるプラズマ団達だったのだ。
ゲーチスは一歩前に出て、何かを熱弁している。
そこには先に到着していたアデクもいて、トウコに気付いた。
「おお!来たかトウコ!」
「アデクさん、これは……」
「ゲーチスの奴が皆をたぶらかそうと必死に弁舌を振るっておるのだ……」
アデクは実に不愉快な様子でゲーチス達を見ていた。
「そうです!我らが王、N様は伝説のポケモンと力をあわせ、新しい理想の国をつくろうとなさっているのです!」
「理想の国?」
「そして、これこそがイッシュに伝わる英雄の建国伝説の再現なのです!」
「英雄?」
「伝説!」
「そういえば、どこかで聞いたことが……」
ソウリュウシティの人々は戸惑いながらもゲーチスの演説に耳を傾けていた。
「ポケモンは人間とは異なり、未知の可能性を秘めた存在です!」
「言われてみれば……」
「我々が学ぶべきところを数多く持つ存在なのです!そのすばらしさを認め、我々の支配から解放すべき存在なのです!!」
「か、解放!?」
「ポケモンを!?」
「えぇーっ!?」
人々に動揺が広がる。
「我々プラズマ団と共に新しい国を!
ポケモンや人、皆が自由になれる新しい国をつくるためです!
皆さん、ポケモンを解き放ってください!」
ゲーチスは感情的に言った。
「……というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます
ご清聴、感謝いたします」
ゲーチスは怪しげな笑みを浮かべて、プラズマ団員と共に立ち去った。
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