理想と真実2
□最後の四天王
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ギーマとの戦いに勝利したトウコはついに最後の四天王との戦いに望もうとしていた。
「いよいよ最後の1人ね…絶対に勝とうね!」
「ダー!」
トウコは最後の四天王が待つ場所に足を踏み入れる。
入った部屋は薄暗く、外はまだ明るいと言うのに、外からの光が差し込んでいない。
階段へと足を踏み出した瞬間、目の前に現れた火の玉がトウコ達の回りを渦巻く。
「えっ!?」
「ダー!?」
トウコとダイケンキの体は宙に浮き、四天王が待つ場所へと導かれる。
そこにはおかっぱの紫色の髪をした、黒ずくめの服とメガネが特徴の女性がいた。
女性は万年筆とノートを持っていて、何かを書いていた。
「あ、あの……」
「『その男、ひとみに暗き炎をたたえ、
ただ1つの正義を成すため、自分以外のすべてを拒む』」
「え?」
女性はいきなり口を開き、小説の一部分を読んだ。
女性はトウコを見据えた。
「……いま読んだのはアタシの小説なんです。…先ほどの挑戦者を題材にしてみたのですが……なんだか悲しくなっちゃいました…」
女性は悲しげな顔をしながら言った。
「…先ほどの挑戦者?」
トウコは真っ先に彼のことが頭に浮かんだ。
「ごめんなさい、挑戦者の方ですよね?」
「あっ…はい!私はトウコです。よろしくお願いします!」
シキミの言葉で我に返ったトウコは慌てて返事をし、自己紹介をする。
「アタシはゴーストポケモン使いの四天王、シキミ。
トウコさん、お相手いたします!」
「はい!」
トウコとシキミはフィールドを挟んで、向き合う。
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