砂漠の舞姫
□始まりと出会い
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ここはオーレ地方、アゲトビレッジ。
そこに住んでいる1人の少女と少女のポケモン、リーフィアの旅立ちが始まろうとしていた。
「それじゃあ、行ってくるね!おじいちゃん、おばあちゃん!」
「リーフィア!」
家の玄関に立ち、足下にリーフィア(リフラ)を連れた少女が元気よく言った。
少女は最低限の旅の必需品の入ったバッグを持っている。
「ミレイ、本当に1人で大丈夫なのかい?」
「最近オーレ地方はまた物騒になってきとるぞ」
ミレイと呼ばれた少女の祖父母である、ローガンとセツマはとても心配そうにしている。
「大丈夫だよ!リフラがいるから1人じゃないし、それに私これからたくさんのポケモンのトモダチを増やすつもりだから!」
ミレイは意気込むように拳を握りしめて言った。
「でも、ミレイ……」
「私ずっと前から旅に出たいって思ってたし、ジム巡りもしたかったのに今さら止めるなんて嫌だからね!」
「……分かっておるが、10年前みたいなことになったらどうするんじゃ?」
「……あの時は何もしてやれなくてごめんね」
ローガンとセツマの言葉にミレイの表情が強張る。
「……うん、あの時みたいにならない為にこれから旅に出て、リフラと一緒に強くなるの。
またアイツらが現れても倒せるように」
「そうか……たまには連絡しておくれよ」
「何も連絡なかったら、やっぱり心配だ」
「うん、分かってる。それじゃあ、行ってきます!」
「フィア!」
ミレイは元気良く言うとリフラを連れて、アゲトビレッジの外へと足を踏み出した。
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