泡沫の夢

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 人の夢は時として泡のように消え
 人に夢は時として泡のように輝く

――
 一人の少女は嘆いた。
 どうして自分は人間ではないのかと――………。
 運命は時として残酷であり、愛おしいものである。


21××年、大自然国家”日本”にとんでもない女の子が誕生した。
 見た目はごく普通の赤ん坊、その頭に光るものを除けば…。
 それが鬼の角だと分かった大人たちは、
彼女が14歳になるまで人間と共に普通の暮らしをさせた。
  ――――そう、普通の人間のように。
大人たちが裏で手をまわしていた為、少女はいつも一人ではなかった。
 そして、一人になることも、いじめられることも、恐れられることもなかった。

そして少女が15歳になった春――……
 家族が泣き叫ぶのを横目に少女は白い服の男たちに殺されかける。
彼女は立派に成長を遂げたと共に、鬼の角も立派になっていた。
鬼の血を引くその少女は、男たちに捕まることはなかった。
 彼女は家を飛び出し、知らない森の中を走った。
 なんど転んでも走り続けた。
 ずっと、ずっと
 行くあてもなく走り続けた



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