鬼と殺人鬼
□絡み始める運命
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「あれ?ここは?」
ヒョコッと身体を起こすと、目に広がったのは壊れた建物と整備されていない道路。
「えーっと、日本……だよな?」
「けど、人っ子1人もいないってのは、流石に変じゃねーか?」
「それに、俺らはリビングにおったんや。いくらなんでも、外に瞬間移動は出来んやろ?」
さっきまで住んでいた世界とは、全く違う。
そこはまるで、廃墟のような街だった。
辺りをぐるっと見渡して、累識は黒い笑みを浮かべて言った。
「あんのクソガキ。次会ったら、即殺してやる」
「俺も、キラーに賛成。神様を殺れる機会なんて、早々あるワケでもないし」
「賛成するとこちゃうやろ!」
緊張感の欠片もないやり取りが続く中、礼識と憂識が1つの気配に気付いた。
「憂識、何かがこっちにくるみたいだ」
「分かってるっての。……殺気は今のところないみてーだけど、こんな状況下じゃ、油断は出来ねぇな」
鎌を構えて、気配の方に意識を集中させる憂識。
その他の兄弟達も、もしもの事態に備えて意識を集中させる。
すると次の瞬間ーー、巨大な化物が姿を現した。
「なんや?!あのバケモンは」
「よく分かんねぇけど、すっげー!!かっこいい!」
「かっこいいのか?」
「礼さん、祭識の言うことは気にせんでええから」
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