鬼と殺人鬼

□絡み始める運命
1ページ/6ページ


「あれ?ここは?」


ヒョコッと身体を起こすと、目に広がったのは壊れた建物と整備されていない道路。


「えーっと、日本……だよな?」

「けど、人っ子1人もいないってのは、流石に変じゃねーか?」

「それに、俺らはリビングにおったんや。いくらなんでも、外に瞬間移動は出来んやろ?」


さっきまで住んでいた世界とは、全く違う。
そこはまるで、廃墟のような街だった。
辺りをぐるっと見渡して、累識は黒い笑みを浮かべて言った。


「あんのクソガキ。次会ったら、即殺してやる」

「俺も、キラーに賛成。神様を殺れる機会なんて、早々あるワケでもないし」

「賛成するとこちゃうやろ!」


緊張感の欠片もないやり取りが続く中、礼識と憂識が1つの気配に気付いた。


「憂識、何かがこっちにくるみたいだ」

「分かってるっての。……殺気は今のところないみてーだけど、こんな状況下じゃ、油断は出来ねぇな」


鎌を構えて、気配の方に意識を集中させる憂識。
その他の兄弟達も、もしもの事態に備えて意識を集中させる。
すると次の瞬間ーー、巨大な化物が姿を現した。


「なんや?!あのバケモンは」

「よく分かんねぇけど、すっげー!!かっこいい!」

「かっこいいのか?」

「礼さん、祭識の言うことは気にせんでええから」



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ