鬼と殺人鬼
□異端者
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一先ず、終わったかと思われていた戦闘は、どうやらまだ続いていたらしい。
「「「ーー!!?」」」
楓識達の方を見てみると、累識は赤い髪をした女の攻撃を刀で、楓識は癖っ毛の男の剣を短剣で受け止め、滓識は霧のようなもので身体を拘束されていた。
「……ちっ。次から次へと襲ってきやがって!」
「累兄さん、後ろ!!」
「ーーっ!?」
さすがの累識でも、先程の戦闘での疲労が溜まっているのか、動きがいつもと少し悪い。
そんな彼を憂識は笑って見ていた。
「どうしたんだよ、累識。いつもより動きが悪いんじゃねーの?」
「うるせぇ。コイツ片付けて、祭識と滓識と空織を助けたら、ぶん殴ってやるから覚悟しとけ」
「はっ。返り討ちにしてやるよ」
援護をせず、敢えて見ているだけの憂識。
もちろん、それは累識の強さを信用しているからこそ、手出しをしないのである。
そんな彼らとは打って変わり、楓識は欺識に助けを求めていた。
「欺識、助けてくれへん?ほんま、無理。死んでまう」
「戯言だろ?」
「ちゃうねん!ほんまにヤバいんやって!俺の年、考えて?お前と違って、もう若くないねんで!!?礼さん、Help!!」
欺識がダメだと悟った楓識は、次に礼識に助けを乞うがそれも虚しく終わることとなる。
「お前なら、出来るさ」
「そぉいうボケ、今はいらへんからぁ!!!!!!」
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