零崎一賊
□軍人零崎
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「総理、いくらなんでも彼らを動かすなど無理があります。彼らは、自分達が興味を持ったことにしか関わろうとしない。まして、この国のことなどで動くなど……」
「だが、彼らの協力を得ければ、この国の敗北は決定的なものになる」
黒いスーツに身を包み、片手に鞄を持った男とその付き人であろう女は、ある軍人施設へとやって来ていた。
そこは、最強にして最凶、最も扱いにくい軍人達がいる場所である。
「それでもやはり、納得が出来ません。あの者達に頭を下げるなど」
「仕方ないことなのだ。大丈夫、こちらにも、いくらか手はある」
果たして、その“彼ら”に、その手がどこまで通用するかは分からないが、2人は意を決して、門から足を踏み入れた。
それと同時に、2人の足元に数本のナイフが飛んできた。
「「ーー!!?」」
上を見上げると、そこにいたのは青髪に赤のメッシュが入っている青年と金髪で目元に痣のある青年。
「人様の領域に入ってくるなら、それなりの礼儀をしろよな」
「まぁ、礼儀なんて全く知らなさそうなキラーにだけは言われたくないだろうけど」
「あっはは。……なんだ、滓識。お前、ケンカ売ってんのか?」
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