太王四神記

□物語の始まり
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ガキの頃から、よく見る夢がある。


『裏切り者を殺せ!』


まただ。
また、あの声が聞こえる。


『………本当に、残念だ』


俺の声のようで違う声。
そして、俺はこの夢の中で、いつも目の前にいる赤髪の男に剣を向けている。
この男は誰なんだ?


『違う……、俺じゃない!信じてくれ!!』


何がなんだか分からない。
毎回のように「信じろ」と言われるが、こっちとしてはどういうことなのか、さっぱり分からない。
なんせ、毎回繰り返されているのは、この1シーンだけだから。


『俺は、お前達を護る為にーー!』


おい、待ってくれ!
コイツは、本当に悪くないんだ!!
これも何故か毎回のように思うことなのに、身体が言うことを聞いてくれない。
まるで、誰かに操られているような…、そんな感覚。


『さよならだ』


俺の声ではないような、低い声。
……辞めろ、殺すな。
ゆっくりと、刃が上がっていく。
辞めてくれ…、辞めろよ……っ!


「辞めろぉおおおっっ!!!」



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