太王四神記

□交われない?
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「じゃぁ、入ってきて」


生徒全員が座ったことを確認した鈴木は、扉へ目を向け、呼び掛けた。
すると扉は開かれ、廊下から1人の青年が入ってくる。


「まずは、自己紹介をーーって、ちょっと待ちなさい!」

「………………なに?」


転校生の青年は、あからさまに不機嫌そうな顔をして鈴木の方へ振り返る。


「ちゃんと自己紹介しなさい」

「…………朱凰 時雨。以上」


たった一言だけを言って、時雨は自分の席へと座る。
そんな彼の態度を不快に思った生徒達は、【なんだよ、アイツ】だの【感じ悪い】だのとヒソヒソと話していた。


「えっと、私は西崎 咲月。よろしくね、朱凰くん」


少しでも、時雨と打ち解けようと声を掛けた咲月だったが、その行動は裏目に出てしまうこととなった。


「…………お前、ウザい。話しかけてくるな」

「ごっ、ごめんなさい……」


そんな時雨の態度が気に入らなかったのか、葵は、時雨の元へ行ったかと思うと、机をバンッと叩いて真っ向から彼を睨み付けた。


「アンタ、言葉に気を付けなさいよ。咲月に謝って!」

「は?なんで俺が謝らなきゃなんないワケ?」


ピリピリとした空気を纏う2人。
近くにいた咲月も、他の生徒達もオロオロとしている中、鈴木が手を叩く。



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