月明かりが導く者

□回り始める歯車
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雲一つない晴天のある日。


「おら、さっさと金出せって言ってんだろ?」

「辞めて下さい!このお金は、母の薬を買う為に「いいから寄越せっての!!」


一方の男が少女を捕まえ、もう一方の男は少女から金を奪う。
少女は泣きながら、それを取り返そうとするが、それは叶わなかった。


「お願いします!返して下さい!!」

「嫌〜だね!」

「……おい」

「あ"?なん――ぐはっ!!」


少女をいたぶっていた男は、振り向いたと同時に誰かに殴られ、その場に倒れた。


「デケー男2人が、女相手にガキみたいな事してんじゃねぇよ」

「そうだよ!女の子泣かせて楽しむなんて、子供以下だよ!」


どうやら、男を殴ったのは、翼だったらしい。
友紀も、少女を庇いつつ、翼に続いて、そう言い放った。


「げっ!月光狩の奴らだ……」

「ちっ…。こんな金、いらねぇよ」


男達は、奪った金を放り投げ、そそくさと逃げて行った。


「弱い者ばっかしてるからこうなるんだよ、バーカ!」




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