月明かりが導く者

□兄との再会
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「ん〜!今日もいい天気だね、ハル」


腕を空に向かって伸ばしながら、友紀は春華に言った。


「そうですね。力で支配する世界でなければ、もっと綺麗に見えたでしょうが」


そう言って、春華が目をやったのは、建物と建物の間で、何やら怪しい取引をしている男性2人。
春華は何も言わずにその2人に近寄り、刀を向ける。


「「ひぃっ!?」」

「死角に入った事は褒めましょう。ですが、まだまだ甘いですよ?」

「まさか…、お前は……っ!?」


春華に気付いた男2人は、春華を見るなり、少し後ずさって行く。


「他の仲間は何処ですか?返答しないのであれば、こちらにも考えがありますよ?」

「ハルはね、こう見えて、結構強引なんだよ?正直に言った方が身の為だよ、おにーさん」

「アナタは黙っていなさい、友紀」


後ずさる2人に、友紀は一気に近寄り、忠告をする。
すると、それを聞くなり、男2人は悲鳴を上げながら逃げ出してしまった。




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