闇夜に潜む猫

□気高き猫・捺鬼
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ここは、十六夜学園高等部――の屋上。
そこから、帰宅して行く生徒や部活をしている生徒達を見下ろしている青年がいた。


「……………」


漆黒の髪に、瞳は見るものを凍り付けしそうな青。
彼は神威 凍夜。
捺鬼の総長・シキである。


「…………」

「どうしたの?随分と暇そうにしてるけど」


そう言ってきたのは、藍色の髪に、灰銀の瞳を持つ青年・祗王 龍騎。
捺鬼メンバーの1人・雪兎である。


「………誰が呼び付けたんだと思ってんだ」

「怒らない怒らない♪また眉間の皺が増えるよ?」


全く自分のせいだと思っていない龍騎に凍夜は呆れて、ため息を付いた。


「ところで、急に話ってなんだよ」

「それは、陸くんと祐斗くんが来てから話すよ」

「その2人は、どうしたんだ?」

「陸くんには、祐斗くんを探しに行ってもらってる」


龍騎からそう聞くと、納得したのか、凍夜はそれ以上何も言わなかった。


「そーいえば、今日も由那ちゃんと口喧嘩してたんだって?」

「由那??」

「鳳院 由那だよ。ほら、黒髪の」

「あぁ、あの女か」


凍夜は心底どうでも良さそうに言い捨てる。




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