闇夜に潜む猫

□出会い
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只今の時刻、23時。
気まぐれ猫達が待ち焦がれていた時間……の筈なのだが――


「なぁ、早く行かねぇの?暇で暇でしょーがねぇんだけど?」

「分かった分かった。そんなにいきたいのなら早く逝け」

「行けの“い”の字が違くね?」


何故か6人共、家にいたのだ。
あまりにも暇過ぎて、和揮は、だらしなく机に伏せている。


「ところで、捺鬼の情報は手に入ったのか?」

「はい。一応、それなりには」

「なんだよ。入ってるんなら、早く教えてくれたって良かったのに」

「すみません」


終は苦笑しつつも、そう言った。
情報が入っていると知り、5人は一斉に終の周りに集まる。


「んで?その捺鬼さんの正体って一体 誰?」

「情報によると、十六夜学園の生徒らしいです」

「「「ふーん…………って、はい!!?」」」


奈織と終以外の4人は、驚きの声をあげた。


「ちょっっと待て。さっき【十六夜学園の生徒】って言ったか?」

「言いました」

「嘘でしょ?私達を脅そうとしているだけでしょ?そうだと言え、雨龍!!」

「すみませんが、事実です」


半ば強引に訂正させようとした未央だったが、終のその言葉を最後に、誰も声を発する事は出来なかった。




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